英国情報

Vol.33

英国と花の繋がり

日本の北海道と同緯度に位置するイギリスは日本と比べると1年を通して涼しく、大西洋の湿った大気とイギリスの冷たい空気から発生するスモッグにより“霧の都”とも呼ばれています。そんな“霧の都”とも呼ばれるイギリスにも6月から9月までの短い間、冬のような天候と打って変わって太陽が降り注ぎ、気持ちの良い晴れた天気が続く期間があります。


“霧の都”イギリス

イギリスの夏

限られた時期だけに見られる晴天だからこそ、イギリスの人々は晴れ間を思う存分に楽しみます。緑の芝生に寝転んで日光浴をしたり、公園に出かけて自然を楽しんだりと、一年の中で一番わくわくする季節を満喫するのです。人々と同じように、夏の晴れた日差しを待ちわびていたのが“花”。芝生や木々が青々と生い茂る中、待っていましたと言わんばかりに、花々が一斉に咲き誇ります。

今回の英国情報では、自然を愛するイギリスの人々と、彼らの生活の中に溶け込む花との繋がりについてご紹介します。

イギリスはヨーロッパ一、緑が多いと言われるほど街中に心地よいグリーンの空間が広がります。少し郊外に出ると、隣町へ続くメイン道路が森の木々のトンネルをくぐり抜けていくような地域も多く、都会に住んでいても毎日の生活の中に自然が溶け込んでいるといっても過言ではありません。

また、各地にパブリック・フットバスと呼ばれる小道が整備されていて、誰でも気軽に自然の中を散策できるようになっています。住宅地の周りに湖や森、公園など緑の芝生が広がり大きな木のある空間が溢れる中、イギリスの人々は少しでも緑の多い地域に住みたいと望み、緑の多い地域に住んでいることに誇りを持って生活をしています。
そんな自然と共に暮らすイギリスの人々は、日々の生活により多くの緑を取り入れるために、ガーデニングに力を入れます。

イギリスの家と自然の調和

大多数の人が庭のついた家に住み、ある程度の大きさが確保された庭は、フロントガーデンまたはバックガーデンという名前で呼ばれています。フロントガーデンは文字通り、家の前に広がる庭のことで、その家の顔となるため、使い勝手というよりは人々を迎え入れる見た目の良さや建物との調和が重視されます。一方で、バックガーデンは、家族がリラックスできる場所であることが条件とされ、コンサバトリーと呼ばれるガラスで囲まれたガーデンルームを設ける家庭も多いと言われています。庭は家の一部という考え方が浸透しているイギリスでは、家と庭の境界線がないためリビングに居るような感覚で、庭に出て日光浴をしたり、コンサバトリーで読書をしたり、アフタヌーンティーを楽しんだりするのです。

イギリスの人々が、自分の庭を美しく居心地の良いものにしていくことに喜びを感じるのは、自然の空気の中で過ごす時間を心から愛しているからと言えるでしょう。


アフタヌーンティー

コンサバトリー

人々の安らぎの空間に彩りを加えるのが“花”。ガーデニング大国として知られるイギリスでは花は無くてはならない存在なのです。ここからは、ガーデニングにも用いられ、イギリスと深い繋がりのある花をご紹介します。

まず、イギリスの国花である“バラ”。イギリス人にとってバラは特別な花であり、もちろんガーデニングには欠かせない存在です。バラを使用したガーデンとしてはロンドン北西部にあるリージェントパークの中にある円形のクイーン・メアリー・ローズガーデンが有名です。5月末頃から6月頃まで、約6万本ものバラが一面に咲き誇り、市民の憩いの場になっています。

クイーン・メアリー・ローズガーデン

また、バラ愛好家にとって憧れの地となっているのがバッキンガム宮殿内に広がるクイーンズ・ローズガーデン。ロンドン市内に位置するバッキンガム宮殿の敷地内には39ヘクタールもの広大な庭があり、19世紀に造られた池や、テニスコートとともに存在するのが、クイーンズ・ローズガーデンです。

バッキンガム宮殿内 クイーンズ・ローズガーデン

(写真:「RSVP」第13号より)

本来、バッキンガム宮殿内のガーデンは一般公開されていませんが、4月、5月、6月の間でエリザベス女王が不在の時のみツアーが開催され、25名限定で訪問することができます。今回、そのような特別な場所にあるクイーンズ・ローズガーデンの写真をご紹介できたのは、2013年7月にエリザベス女王戴冠60周年を祝いバッキンガム宮殿の庭園にて開催された「コロネーション・フェスティバル」に、英国王室御用達ブランドであるDAKSも参加したからです。英国ゆかりのブランドやメーカーなど王室御用達の企業約200社がブースを構えゲストを出迎える中、4日間で6万人もの入場者が会場を訪れました。

イベントで行われたDAKSファッションショー DAKSのブース

バッキンガム宮殿の広大な敷地の一角をローズガーデンが占めていることからも分かるように、バラは英国王室並びにイギリス人にとって特別な花であり、その美しさは長年人々を魅了し続けています。

次に挙げられるのは、DAKSともゆかりのある花、アザミです。スコットランドの国花であるアザミは美しい外見とは裏腹に、触ろうとすると棘が刺さります。アザミの棘により国土を守ったとされるスコットランドの言い伝えに由来し、アザミの花言葉は「独立」「厳格」「報復」です。かつてDAKSの最大の工場(ラークホール工場)がスコットランドにあったことから、DAKSの紋章(クレストマーク)にも2輪のアザミが描かれています。まさに、アザミはDAKSにとっても関わりの深い存在と言えるでしょう。

アザミ DAKSクレストマーク

最後にご紹介するのは、ウェールズの国花にも指定されている花ダッフォディル(ラッパスイセン)です。ダッフォディルは、アングロ・サクソン語の「早く来る者」という意味の言葉が語源となり、英国に春の訪れを告げる代表的な花と言われています。また、海外ではスイセンは、「希望」の象徴ともされており、一般の人が積極的にチャリティー活動やボランティア活動をする機会が非常に多いイギリスでは、募金キャンペーンのシンボルにもなっています。

ダッフォディル(ラッパスイセン)

花を愛する国民性を象徴するように、春から夏にかけてイギリス各地でフラワーショーが開催されます。中でも毎年5月にチェルシーで開催されるガーデン・ショー(チェルシーフラワーショー(RHS Chelsea Flower Show))は、イギリス王立園芸協会(RHS)主催のもと1862年より開催されおり、最も歴史が古く世界最大規模のガーデン・ショーとして人気のイベントです。著名な園芸家によってデザインされた世界最高峰のガーデンが数多く見られることでも有名で、世界各国から600名以上の出展者が集まり、50のガーデンや100を超える花が展示されます。メディアでも大きく注目され、ショーの準備期間から会期中に至るまでの様子が連日報道されます。5日間の開催期間中には157,000人もの来園者が訪れ、事前に発売される入場券は、瞬く間に売切れてしまう程の人気です。

英国王立園芸協会の総裁としてショーを訪れるエリザベス女王

ガーデニングの部門は大きく3部門、ショーガーデン部門、フレッシュガーデン部門、アーティサンガーデン部門に分けられ、それぞれの部門ごとの優秀な作品にはゴールド、シルバーギルト、シルバー、ブロンズの順でメダルが贈られます。この他にも、プラントの出展にはプラント・オブ・ザ・イヤーの賞が設けられ、選び抜かれた20名のファイナリストの中から上位3名が選ばれます。

今年開催されたフラワーショーのガーデニング部門で金賞を受賞した作品たち:

ベスト・ショーガーデン(金賞)
The Laurent- Perrier Chatsworth Garden

By Dan Pearson

ベスト・フレッシュガーデン(金賞)
Dark Matter Garden for the National Schools’ Observatory
By Howard Miller Design Ltd

ベスト・アーティサンガーデン(金賞)
The Sculpor’s Picnic Garden

By Walker’s Nurseries

採点基準となる項目は、物語性、エイジング(歴史)、新規性、予算、デザイン性、環境面など多方面に亘り、厳しい審査を通過した素晴らしい作品だけが賞を受賞することができるのです。例えば、アーティサンガーデン部門で見事、金賞を受賞した”江戸の庭”であれば、江戸時代の日本に存在した素材を使用しているかどうか、使用されている植物がその土地の乾燥・日陰の生育条件に合致しているかどうかなど、細かい考察が必要となります。

ベスト・アーティサンガーデン(金賞)
Edo no Niwa- Edo Garden

By Ishihara Kazuyuki Design Laboratory

(写真:Royal Horticultural Societyホームページ(https://www.rhs.org.uk/)より)

イギリス人にとって花が特別であるように英国ブランドDAKSにとっても花は特別な存在として位置づけられています。キャメル・ビキューナ・ブラックで構成されたDAKSハウスチェックで有名なDAKSですが、近年はオリジナルのフラワープリントを取り入れた商品を数多く展開しています。

DAKSのクリエイティブ・ダイレクターであるフィリッポ・スクフィーは、2015年秋冬コレクションで、英国とも深い関係のあるチューリップに着目し、手書き風に仕上げた大柄のチューリッププリントを考案しました。

イギリスとチューリップの歴史は古く、16世紀まで遡ると言われています。本来野生種として自生していたチューリップがトルコからヨーロッパに持ち込まれ、たちまち人気となったのが始まりで、1578年頃からイギリス国内で広く普及していきました。チューリップの研究に力を入れた植物学者の一人で、1600年代のイギリス国王 ジェームズ1世の薬剤師として遣えたジョン・パーキンソンは、150種類にも及ぶチューリップを分析し、早生種、中生種、晩生種の3つの種類に分類しました。この品種分類は現在にも受け継がれており、歴史的にもチューリップの栽培、開発においてイギリスが重要な役割を担ってきたといっても過言ではありません。

この秋、DAKSの婦人コレクションでは、秋を感じさせる深いトーンのスタイルに彩りを加える鮮やかなチューリッププリントを活かした商品を数多くご用意いたしました。ぜひ、全国主要百貨店のDAKS婦人服売場でご覧いただき、魅力溢れる洗練されたコレクションをご堪能ください。

※当商品は9月より販売を予定しております。
(15AW婦人コレクションWEBカタログ:http://www.daks-japan.com/catalogue/2015awwomens/

DAKS婦人服コレクションに関する問い合わせ先:
三共生興ファッションサービス株式会社
東京03-6418-0781 大阪 06-4964-6680

また、今年2月にロンドンで開催された2015年秋冬コレクションのファッションショーでも、今シーズンのキーカラーであるレッドを中心にブラック、ベージュで構成されたコレクションに奥行きを加える華やかなプリントとして、チューリップ柄が注目を集めました。

近年、英国DAKS社から発信されるDAKSオリジナルフラワープリントもバリエーションが増え、DAKSを象徴するハウスチェックとフラワープリントを融合させたデザインもプリントの一つとして考案されています。かっちりとしたハウスチェックにフェミニンな印象のフラワープリントが加わり、存在感抜群のデザインに仕上がっています。

ハウスチェックとフラワープリントをミックスさせたプリント柄は、2015年秋冬のDAKS婦人ゴルフコレクションの中で使用されていますので、DAKSオリジナルのフラワープリントを取り入れたファッションで、秋冬のお洒落を存分にお楽しみください。

※当商品は8月より販売を予定しております。
(15AWDAKS GOLFコレクションWEBカタログ:http://daks-japan.com/catalogue/2015golf/

DAKSゴルフコレクションに関する問い合わせ先:
株式会社オンワード樫山
0120-586-300(お客様相談室)

※当ページで紹介しております商品は、全国主要百貨店内のDAKS婦人・DAKS GOLF売場で販売予定となっております。ショップにより取扱商品が異なる場合がありますので、ご了承ください。