英国情報

Vol.39

エリザベス女王のお気に入り
~王室御用達の紋章を探してロンドンを歩く~
-ボンド・ストリート周辺-

 

朝晩はまだ冷え込むロンドンですが、日差しは確実に強さを増し、初夏を感じる季節となりました。
天気の良い日にロンドンのメインストリート「ピカデリー・サーカス」を歩くと自然に足取りが弾みます。

今回ご案内するのは世界を代表するブランドが並ぶ「ボンド・ストリート」です。
ここはオックスフォード・ストリートに比べると、歩く人たちのペースもゆっくり。
素敵なお店が並ぶ通りでウィンドウショッピングを楽しむ人の姿を多く見かけます。

 

オールド・ボンド・ストリートでも人目をひく、特徴的な外観のDAKS旗艦店

ピカデリー・サーカスとグリーンパークの間を北に抜ける通りが、オールド・ボンド・ストリート。
入って1分も歩けば、右にDAKS のモダンな旗艦店が見えてきます。
ショーウィンドウは、以前DAKSの本店があった「シンプソン・ピカデリー百貨店」のウィンドウを思わせる、
流れるような湾曲型のデザイン。伝統を大切にするDAKSのこだわりが表れています。

 

DAKS本店オールド・ボンドショップ「メンズウェア・クラブ」の入り口

2016年3月DAKS本店オールド・ボンドショップを改装し2階に紳士ショップ「メンズウェア・クラブ」をオープン。
モダンと伝統を上手くミックスした、心地良い空間になりました。副マネージャーの「ベッツィ氏」と、
スーパーバイザーの「ロッソ氏」に「メンズウェア・クラブ」についてお話を聞いてみました。

「1階のカジュアルウエアとは別に、2階にはフォーマルウエアを中心に商品を揃えています。
たとえばスーツなら、「サヴィル・ロウ」に店を構える老舗「ヘンリー・プール」とのコレボレーション商品を
展開しています。伝統的な英国式テイラー「ヘンリー・プール」と「DAKS」の、品質を兼ね備えたスーツは
話題を集めています。また、「メンズウェア・クラブ」では、お客様と対話しながら、細かなニーズに
応えていくことが可能です。」(ベッツィ氏)

 

内装を一新して、「メンズウェア・クラブ」に生まれ変わった2階フロア。

「このクラブで寛ぎながら、スーツや靴の他、香水、紅茶など、お客様のライフスタイルをトータルに提案していきたいと
考えています。フレグランスなら「フローリス(FLORIS)」、靴なら「トリッカーズ(TRICKER’S)」 と、
英国を代表するブランド同士で作り出す雰囲気を皆さんに楽しんでいただけると思います。
「メンズウェア・クラブ」はまだ始まったばかりですが、今後の展開が楽しみです。」(ロッソ氏)

エリザベス女王、エジンバラ公、チャールズ皇太子の3名からロイヤル・ウォラント(王室御用達)を授与されている
メーカーは現在、全部で13社、服飾関係ではDAKSを含めて5社のみ。そんなDAKSの新たな試みに注目です。

 

帽子などの小物も揃う「メンズウェア・クラブ」。右は「フローリス」の香水。

 

「ヘンリー・プール」とのコレボレーション商品

さて、DAKSを後にしてオールド・ボンド・ストリートを少し北に歩くと、今度は左側に重厚な雰囲気の
「ロイヤル・アーケード」があります。このアーケードの象徴ともいえるショップが王室御用達のショコラティエ
「シャボネル・エ・ウォーカー(Charbonnel Et Walker)」 です。こちらのチョコレートは、味はもちろん
素晴らしいのですが、それ以上にパッケージが素敵で、気がついたら家にいくつも空き箱が並んでいます。

 

ロイヤル・アーケードにある「シャボネル・エ・ウォーカー」。ウィンドウには「ピーター・ラビット」がいっぱい。

先日、エリザベス女王が90歳の誕生日を迎え「シャボネル・エ・ウォーカー」でも記念のパッケージが登場しました。
そして女王とともに人気が高いのが「ピーター・ラビット」です。ピーター・ラビットの生みの親、
ビアトリクス・ポターの生誕150年を記念してピーター・ラビットが描かれたハンパーボックスが販売されています。
ちなみに、通常の商品はシーソルトシリーズが一番人気だそうです。

 

一番人気のあるシーソルトチョコシリーズ(左)。ピーター・ラビットの ハンパーボックス(右)。

 

エリザベス女王90歳を記念したチョコレート(左)。店内には若かりし日の女王の写真が飾られています(右)。

チョコレートの甘い香りと味を堪能した後はもうしばらく歩きましょう。ルーズベルト大統領とチャーチル首相が
穏やかに歓談している銅像を通り越すと、オールド・ボンド・ストリートからニュー・ボンド・ストリートへと入ります。

まず目に入るのは、オークションハウスとして有名な「サザビーズ(Sotheby’s)」 のフラッグ。
世界に名だたるオークションハウスですから敷居が高そうな印象ですが、実は日によってビューイング(見物)もできます。
そして、エントランスを入ってすぐのところにあるティールームもおすすめです。
隠れた穴場ながら実はアフタヌーンティーのレベルもかなり高いと評判なのです。

 

ルーズベルト大統領とチャーチル首相が歓談している銅像。

 

オークションハウスとして有名な「サザビーズ」。やさしい雰囲気のスタッフがお出迎え。

 

「サザビーズ」の店内はこんな雰囲気。落ちついたなかでゆっくりとお茶を飲んだり食事を楽しめます。

ここでもまだお腹が満ちていない方は、さらに東に少し歩くと、重厚なたたずまいの「ブラウンズ・ホテル」があるので
ご安心を。アガサ・クリスティも好きだったというこのホテルは、ロンドンを代表するタウンハウス・ホテル。
特にアフタヌーンティーが有名です。
アフタヌーンティーはなかなか予約が取れないのですが、フレンドリーなドアマンと一緒にセルフィーを撮るだけでも
ロンドンの思い出作りにピッタリです。

 

「ブラウンズ・ホテル」のドアマンはこの通りの名物的な存在。いつも笑顔で出迎えてくれます。

さて、かつてDAKSの紳士ショップがあった、メンズ・ファッションの老舗が立ち並ぶ「ジャーミン・ストリート」。
そこに店を構える王室御用達のフレグランスショップ「フローリス」。伝統を感じさせる店内に足を踏み入れると
9代目の当主エドワードさんが直々に出てきてくれました。

 

伝統を感じる店構えのフローリスでは9代目の当主が対応してくれました。

エドワードさんに人気の商品を聞いてみると、ナンバーワンは、007の原作者「イアン・フレミング」が愛したといわれる
「No.89 オードトワレ」だそうです。ジェームズ・ボンドの根強いファンが愛用しているのでしょう。

そして、この通りの名前を冠した「ジャーミン・ストリート・パフューム」も人気。香りのイメージは、この通りに
たくさんある高級シャツメーカーのコットン。そのコットンに、コリアンダーの香りが加わっています。
フローリスと軒を連ねる王室御用達のワイン商ベリー・ブラザーズ&ラッドをイメージしているそうです。
DAKSとのコラボレーションアイテムについては「2つの英国の男性服飾を代表する老舗が手を繋ぐというのは
エキサイティングなこと。お客様からの反響が楽しみです」とエドワードさんが語ってくれました。

 

ジェントルマンのために設えられた重厚さを感じさせる店内。

 

イアン・フレミングが愛用したNo.89 オーデコロン(左)。ジャーミン・ストリート・パフューム(右)。

爽やかな風を感じながら散歩するロンドンの街。世代を超えて伝統を重ねてきたお店を訪ねながら
英国のクラフトマンシップに触れていると、自然に歩く距離が延びていきます。
ロンドナーがたくさん歩くのはこんな理由もあるのかもしれません。

取材・写真・文:富岡秀次

【記事内関連情報URL】
DAKS Flagship Store(DAKS)
10 Old Bond Street, London W1S 4PL
http://www.daks.com/pages/stores/uk.aspx

Charbonnel Et Walker(シャボネル・エ・ウォーカー)
1 the Royal Arcade, 28 Old Bond St, London W1S 4BT
http://www.charbonnel.co.uk/

Sotheby’s(サザビーズ)
34-35, New Bond Street, London W1A 2AA
http://www.sothebys.com/en.html

Brown’s Hotel(ブラウンズ・ホテル)
33 Albemarle St, Mayfair W1S 4BP
https://www.roccofortehotels.com/hotels-and-resorts/browns-hotel/

FLORIS(フローリス)
89 Jermyn St, London SW1Y 6JH
http://www.florislondon.com/en_gbp/

【英国情報に関する問い合わせ先】
ジャパン・ダックス・シンプソン事務局(三共生興株式会社内) TEL:06-6268-5375